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すべては、ひな人形という文化のために。 すべては、ひな人形という文化のために。

今回訪問したのは、岡山県高梁市にある「日本貿易産業」。ひな人形の胴体やひな人形の生地を使った和雑貨などを手作りしている人形メーカーで、「人形の喜峯」という店舗名で店頭及びECサイトでも人形を販売しています。

高梁市の「手仕事文化」から
はじまったひな人形作り。

日本貿易産業の創業は1960年。高梁市は元々麦わら帽子や籐のカゴなどの手仕事が盛んな地域で、創業当時は地域の人の内職を頼りに、クリスマス用の飾りを生産していました。そんななか、1970年代の第二次ベビーブームが到来し、世の中はひな人形不足に。そこで一念発起し、地域の手仕事文化を活用してひな人形作りをスタートさせたことから、現在まで続く人形メーカーとしての歴史がはじまります。
ひな人形作りは、さまざまな会社の分業制。日本貿易産業では、ひな人形の胴体を専門に製作しています。胴体は、創業当時からすべてが藁や針金や金襴などを使った手作りで、何十年もこの仕事に携わるベテランが工程を分担して作業にあたっています。ひな人形の着物のカラーといえば、男雛は黒系、女雛は赤やピンクが一般的なイメージですが、最近の人気はパステルカラー。『ランドセルの色がシンプルな黒・赤だけでは無くなってきているように、ひな人形の人気のカラーも年々変わってきています。』と同社の野口専務は語ります。日本貿易産業では、その時々の流行に合わせたひな人形作りにこだわって、事業活動を続けています。

ひな人形作りの「余り生地」を
活かした和雑貨が人気。

ひな人形作りに欠かせないのが、着物を作る生地。日本貿易産業にはさまざまなカラー・柄の生地が大量にストックされており、大きなロールの生地からひな人形用に小さくカットしていきますが、そのなかで生地が余ってしまうことも。この余った生地を利用して、10年ほど前から和雑貨作りを行っています。最初に作ったのは、コースターやカードケース、小物入れなど。試しにイベントで販売してみたところ、お客様の反応がよく、その後商品ラインアップを広げ、お土産屋さんなどで販売しています。
元々は処分していた「余り生地」を有効活用する、日本貿易産業ならではのサステナブルな取り組み。現在は、参加する展示会やイベントなどで実際のひな人形の生地から作る「くるみボタン」のワークショップを開くなどして、より多くの方々にひな人形や日本の伝統を伝える取り組みを行っています。

※2025年8月時点の情報です

「着物の再利用」で作る
新しいひな人形。

環境に配慮した日本貿易産業のもう一つのサステナブルな取り組みが、「My ひな」。自宅で眠っている思い出の詰まった着物や帯地を再利用してオリジナルのひな人形を作るサービスです。『せっかく譲り受けた着物も、昨今ではなかなか身につける機会がありませんが、ひな人形にすれば子どもにも、そのまた子どもにも引き継いでいける。年に一度、その着物を着ていたお母様やお祖母様を思い出す機会にもなる。世界に一つの、思い出が詰まったひな人形が作れる、私たちの新しいサービスのカタチです。』と野口専務。制作期間は、着物・帯を受け取ってから約1ヶ月。郵送でも、来店でも承っているそうです。
年間の出生数が年々減り続ける日本では、ひな人形や五月人形の需要も徐々に減り続けています。日本貿易産業では、展示会・イベントでのワークショップをはじめ、観光用の会社見学会、近隣高校の家政科を対象とした学生の見学会も行い、日本の伝統文化を後世に残していくための取り組みをこれからも続けていきます。

岡山県高梁市のお礼品

【高島屋選定品】〈人形の喜峯〉
オーダーメイド 雛人形 セット 九番
Myひな 岡山 高梁市

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