特集1 ふるさとが誇る手しごと 〜そこに技あり、風土あり〜

大阪府堺市のお礼品

(左)片羽という刷毛や絵筆など多彩に使用される筆は、十六代続く京都の老舗刷毛店の作。
(右)目玉を描く「ぶんまわし」の工程。コンパスのような道具で勢いよく描き上げます。

風土貿易の街で生まれた綿布の鯉のぼり

古くから日本屈指の貿易港がある大阪府堺市。明治初期より玩具問屋として地域の和凧職人とともに紙の鯉のぼりを制作、販売していた〈高儀〉が布の鯉のぼり作りを始めたのは、堺港に英国からの広幅の綿布が輸入されたのがきっかけです。さらにこの綿布を鯉のぼりに適したものにするため、〈高儀〉は織物や染色が盛んな堺の工房の力を借り、布を晒して改良していきました。こうして堺の立地と人々の技を結集した布鯉のぼりは、大きな人気を博しました。

一筆に心を込めた手描きの妙技

〈高儀〉の代表、高田武史さんの鯉のぼりは、力強い瞳も鱗を立体的に見せる刷毛模様も、疫病を追い払うとされる金太郎の図案も全て一筆で描かれます。二度描きで濃淡や、墨一滴でも落ちたら、それでおしまい。描く際には、息をつめるように慎重かつ大胆に刷毛を滑らせる必要があります。また、通常の鯉のぼりはまっすぐな体型ですが、〈高儀〉は胴が太く、尾びれの前がくびれて、胸びれと尾びれが大きいのが特徴。これは風から浮力を得て空を泳ぐための工夫で、江戸時代の紙凧の技が生かされています。

伝統男児誕生を祝うその思いを筆に乗せて

お子様の成長を願って贈るお祝いの品には、その想いに見合う手描きの鯉のぼりを選びたいものです。「私は親御さんの想いを背負って描くわけですから、手をかけ、時間をかけた本物をお渡ししたいのです」と高田さんは語ります。

太く見事な筆致だけでなく、濃淡を自在に出す「ぼかし」の味わいも〈高儀〉の技法のひとつ。
〈堺五月鯉幟・高儀〉1.2m金時付鯉幟スタンドセット

〈堺五月鯉幟・高儀〉
1.2m金時付鯉幟スタンドセット

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〈堺五月鯉幟・高儀〉2.5m金時付鯉幟庭園用ポールセット

〈堺五月鯉幟・高儀〉
2.5m金時付鯉幟庭園用ポールセット

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石川県輪島市のお礼品

伝統漆器のまち、輪島で“木地”の魅力を伝える

能登半島の先端にある輪島市。この町の名を冠する伝統的工芸品の輪島塗は、多くの職人の手を経て作られる分業制をとっています。中でも「木地師」と呼ばれる職人は、木材を粗挽きしたり、ろくろで削るなどして、器の形を作っています。〈四十沢木材工芸〉もこの木地師の流れを汲む工房です。1947年、先代が木地屋での修行を経て独立したことではじまった同工房は、当時多くの職人が木地仕事を手作業で行う中で、いち早く自動かんなやNC加工機を導入して多彩な木地作業を手がけられるように拡大、成長していきました。その仕事の中で、漆や蒔絵を施して仕上げていく輪島塗とは一味違う、木地師の独自の目線で柔らかな木目の魅力を引き出した「木の器」作りに取り組み始めたといいます。

反りや割れに強い木材をつくる乾燥工程。適切な手入れをすれば、世代を超えて使い続けられます。

信念手しごとが磨き上げ器に命を吹き込む

「機械は人の手を補助する道具でしかありません」。代表の四十沢宏治さんはそう語ります。「私たちは工房で使用する樹齢百年を超えるケヤキの天然木を、無駄なく切り出して活用するために機械を用いています。ただし、自由曲線の集合体である木の器に命を与えるのは手しごとの領域です。手に取った時にしっくりとなじみ、心地よいカーブやエッジ、そして艶やかな木地の表情を見せるために器の表面を整え磨き上げていく作業には、人の手の感覚がものを言いますね」。

先代が木工機械を導入したことで、分業ではなく工房内での一貫生産が可能に。

意匠と機能が融和したほっと心落ち着くお盆

人気の「輪花盆」と「雪輪盆」にも人の手が作る温もりが宿っています。日本の伝統紋様をもとに、そこに人の手を優しく迎え入れる盆の底から緩やかに立ち上がるカーブや、繊細ながらも指の掛かりやすい縁といった機能性をプラス。さらに液体ガラス塗料をしみ込ませることで耐水性も兼ね備える、意匠と機能性が溶けあった名品です。天然木の一つひとつ異なる木目の麗しい風合いも、使うほどに、見るほどに心を和ませてくれます。

手に持てばわかる温もりと手触り。いろいろ集めたくなる柔らかな表情のお盆です。
〈四十沢木材工芸〉「KITO」雪輪盆(大)

〈四十沢木材工芸〉
「KITO」雪輪盆(大)

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〈四十沢木材工芸〉「KITO」輪花盆(大)

〈四十沢木材工芸〉
「KITO」輪花盆(大)

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岐阜県中津川市のお礼品

風土「栗きんとん」を考案し中津川の名物にまで洗練

古くから山栗の産地として知られる岐阜県中津川市。
栗を使用して、「栗きんとん」というお菓子として考案したのが菓子舗〈すや〉の八代目店主。店主が自作の「栗きんとん」を関東の随筆家をはじめ幾人かの友人に贈ったところ、そのかざらない味が人気を呼び、やがて中津川の名物として全国的に有名になっていきました。今では栗の実る頃の楽しみとして地元だけでなく、全国の方が〈すや〉の栗きんとんを待っています。

手で包む、その形にも職人の個性が出るようです。

食感を残し炊くことで生まれる素朴なおいしさ

「栗は栗のままに」との思いから、材料は栗と砂糖のみ。ほんのり甘く、栗の香りが口に広がる、素朴ながら洗練された味わいです。その製法は至ってシンプル。だからこそ、かけた手間が味に映し出されます。栗の鬼皮を剥いてほり出し、炊いて、絞る。全てが職人の手作業で行われており、職人たちは竹から自らの手に馴染む竹べらをつくり、これで硬い皮を剥いて栗をほり出していきます。その栗を、あえて潰し残しがあるように炊くことも、懐かしい食感を生み出す秘訣なのだとか。また〈すや〉ではその年採れた国産の栗のみを使用するため、気候や収穫時期により味に若干の差が生まれるのも魅力。旬の走りは新鮮なほくほく感、盛りには円熟のしっとり感、そのいずれにも熱烈なファンがおり、販売開始を今や遅しと待ちわびています。限られた期間にしか販売されない栗きんとん。それゆえ秋を強く感じる季節の便りです。

栗の粒を残しつつしっとりと炊き上げる。
職人の手でしかできない技。
懐かしさとモダンさを感じる珍しいガラスのS字型陳列棚。
〈すや〉栗きんとん10個入り

〈すや〉
栗きんとん10個入り

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長崎県西海市のお礼品

風土高島屋オーダースーツの着心地を支える縫製拠点

長崎県西海市の〈ミユキソーイング〉長崎工場は、高島屋のオーダースーツのモデルのうち、半数ほどの縫製を担う拠点。従業員のほとんどが西海市の人々であり、40年前 の工場稼働時から地域と深く関わり、地場産業の一端を担っています。 スーツの着心地は、縫製によって大きく左右されます。中でも生地同士をぴたりと合わせて縫い上げるための「しつけ糸」は重要。現代の既製服では、しつけ糸の処理はほぼ行われていませんが、長崎工場では全てのパーツに、昔ながらのしつけ糸を施して縫製を行います。その数、80カ所以上。もちろんしつけ糸は、出荷前に全て外されるため見ることはできませんが、それぞれの体型に合わせたオーダースーツの着心地や保形性はこうして保たれているのです。

しつけ糸の工程は、縫うのも外すのも全て手作業で。

美しいシルエット軽やかな着心地のために

他にも「見えない場所」にさまざまな技術が凝らされています。肩の自由な動きを実現する背裏の肩周りに配されたギャザー、胸元に立体感を出す為の丁寧なプレスなど、随所に見られる配慮の数々。細部にこだわり抜き、多くの職人の手を経て完成した一着は、まるで重さを感じないほど、吸い付くように体にフィットします。

型紙はお客様の体型に合わせて微調整します。
高島屋オーダースーツクーポン(9万円分)

高島屋オーダースーツクーポン
(9万円分)

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北海道東川町のお礼品

風土森林と人の未来のために白樺を生かした家具を

家具のまちと称される、北海道東川町。一般的な家具にはケヤキなどの広葉樹が多く使われますが、〈木と暮らしの工房〉で使用されるのは「白樺」。白樺は、樹齢百年を超えるような森林資源が減少しつつある北海道では数少ない人の手で効率的に育てられる木。これを使用することで、自然との持続的な共生を目指すのがこの工房の志です。

信念シンプルな形にこめた数々の技と想い

同工房の家具は、シンプルにして機能的。そのシンプルさは、木目や質感を生かした木取りの技にはじまり、背もたれのカーブや縁の滑らかさなどを決める繊細な手と目の仕事に裏打ちされたもの。また機械化などによって、次第に失われゆく椅子張りや木地加工など、経験や勘によって差が生まれる技を担う人材の育成、継承も進んでいます。
こうして造られた家具はシンプルゆえに、手作業での修理がしやすいのも魅力です。木材資源を有効活用していくだけでなく、愛着を持ったアイテムを、世代を超えて使い継ぐという習慣にもつながっていきます。
お礼品の「amチェアー」は、座りやすい形状と4kgという軽さを実現。通常2名用の「エクステンションテーブル」は、最大6名用にテーブルを伸ばした際にも美しくフラットな見た目となっています。

白く抜けるような色合いの白樺の木材。一点一点丁寧な手しごと。
北海道東川町にある工房。周囲は豊かなで広々とした田園風景。
〈木と暮らしの工房〉amチェアー

〈木と暮らしの工房〉
amチェアー

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〈木と暮らしの工房〉エクステンションテーブル900

〈木と暮らしの工房〉
エクステンションテーブル900

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岩手県花巻市のお礼品

風土自然災害をきっかけにぶどう栽培が始まる

岩手県花巻市、早池峰山の麓にある大迫地区。襲来した台風が甚大な被害をもたらした際、当時の岩手県知事が、大迫の傾斜地の多さ、石灰質土壌で年間雨量の少ない土地柄に目を止めたのが、ぶどう栽培のきっかけとなりました。
〈エーデルワイン〉は1962年、前身である岩手県ぶどう酒醸造合資会社として創業した、大迫で現存する最古の醸造所で、主にこの地区の農家のぶどうを使用しています。また同地域で花巻市が運営する「葡萄が丘農業研究所」では、農家に技術指導をしてサポート。まさに、地域の行政・企業・農家が一体となり、造り上げるのが〈エーデルワイン〉の商品の特長です。

「ラタイ」など、日本では大迫でしか栽培されていない品種もワインとして人気。

人の手と伝統が紡ぐワインの深い味わい

ワイン造りにおいて農家の人々は、小雨にも弱いぶどうを実らせるため雨除けから枝の誘導、粒を揃える摘果など、ほぼ全工程を慎重に手作業で行います。醸造家たちも大量生産のステンレスタンク醸造だけではなく、木樽熟成や瓶内二次発酵などの伝統的な手法を継承し、熟成過程でも入念なテイスティングを行い、我が子のようにワインを育てていきます。ヴィンテージごとに個性を感じるその味わいは、醸造後すぐに飲んでもおいしく、3年、5年、10年と時を経るごとにさらに深みを増した味わいに変わります。

ワインの個性を見極め、熟成させる樽や熟成期間を見極めるのも醸造家の腕の見せ所。
〈エーデルワイン〉ゼーレオオハサマ&ドメーヌエーデル ツヴァイゲルトレーベセット

〈エーデルワイン〉
ゼーレオオハサマ&ドメーヌエーデル
ツヴァイゲルトレーベセット

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〈エーデルワイン〉ゼーレオオハサマ赤・スパークリングセット

〈エーデルワイン〉
ゼーレオオハサマ赤・
スパークリングセット

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岐阜県のお礼品

風土手間をかけて人の手で味を引き出す

フランスで修行した創業者が、燻製作りにふさわしい気候・地域として選んだ岐阜県高山市で、1998年に生産を開始。「白カビ熟成の乾燥ソーセージ」は、黒豚モモ肉や国産豚バラ肉を合わせて約1カ月間熟成。水分が出て肉の旨みも凝縮され、さらに白カビをまとわせることで、アーモンドやチーズに似た独特の風味が生まれます。職人の高い技術と飛騨の気候が調和して、生まれる美味しさをお試しください。

〈キュルノンチュエ〉
オリジナルソーセージセット

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茨城県のお礼品

職人が付き切りで煮詰め、見極める糖度

数多くの農作物を手掛ける 城県に農場を構える〈OSMIC 〉。同社がこだわり抜いた土と温湿度管理の行き届いた環境で作られるトマトを贅沢に使用したジュースです。旨味を引き出すために一度冷凍したトマトを砂糖や塩、水さえも一切加えず、熟練の職人が2時間以上付き切りでじっくりと煮詰めたその糖度は15度以上。大手航空会社の機内・ラウンジにも採用され、一度飲んだら忘れられない、濃厚で上質な味わいです。

〈OSMIC〉
OSMIC FIRST QUEENトマトジュース糖度15° 2本セット

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岐阜県関市

刃つけに現れる職人の技術

刀鍛冶の技術を土台に、日用使いの刃物の革新も進める岐阜県関市。33層の異なる硬さのステンレスを重ねたダマスカス鋼の模様の美しいこの包丁も、技術革新の成果です。その仕上げに欠かせないのが人の手。切れ味を最も左右する刃つけには、今も職人の技が生きています。機械では再現できない角度調整。人の目と指先の鋭敏な感覚による仕上げが、包丁に「名品」としての命を吹き込みます。

〈貝印〉
旬Shun Classic 三徳ナイフ(175mm)

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山梨県都留市

伝統創業者ゆかりの地の織物を傘に張り、思いを繋ぐ

山梨県が誇る「甲州織」。織る前に糸を染めることでどの角度からも美しさが際立つ伝統織物を、傘に使用しているのが傘専門店〈小宮商店〉。創業者が山梨県出身で「甲州織」に目をつけ、生まれたのが、晴雨兼用傘の「絹紬」です。細かな凹凸がある絹地が傘の骨に馴染んでいるのは、熟練の手しごとのなせる技。他にもほつれにくい裾や指に優しい「ろくろ包み」の骨の連結部分など、細部まで使う方への工夫が凝らされています。

〈小宮商店〉
「絹紬」晴雨兼用長傘
(アイボリーストライプ)

滋賀県湖南市

柿渋の風合いが愛おしい日常にとけこむ匠の技

「一閑張」は竹や木を組み、和紙を貼り 重ねたものに柿渋を塗った工芸品です。 湖南市の〈近江一閑張 蛯谷工芸〉は、こ の技法に紙ひもの骨組みを使用して編 み上げる独自の技術を加えて、丈夫で軽 い「近江一閑張」を確立。同工房では手漉 き和紙を正確かつ丹念に張り込んでは 乾燥させ、柿渋を塗り重ねながら、耐久 性に優れた品へと仕上げます。お礼品の 浅籠は書類・小物入れや、枕元に置く衣 類籠としても活躍する一品です。

〈近江一閑張 蛯谷工芸〉
一閑張浅籠(中)茜色

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岐阜県のお礼品

伝統みりんの旨味を引き出す手造りの麹の力

飛騨川の水運で栄え、現在も「酒買いの儀式」の祭が残る、酒造と関わりの深いまち、岐阜県加茂郡川辺町。江戸時代には寝酒としても嗜まれたみりんを今に残すのが〈白扇酒造〉。主原料のもち米や麹米は飛騨地方産を用い、製麹機を使わず、蔵人が日夜手作業で麹を育てる手法は、江戸時代の伝統そのまま。3年の熟成を経て仕上がるみりんは、甘味の中にも旨味があり、和食をはじめ様々なお料理に活躍します。

〈白扇酒造〉
福来純本みりん2本セット

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